Messages 講師・卒業生・ご家族より皆様へのメッセージ

2015春期合宿【報告会】

5月5日(火)春期合宿最終日に第8回報告会が行われました。
池袋理数セミナー在籍生、その保護者様、卒業生など大変多くの方にご来場頂きました。今回は、2010年度の池袋理数セミナー卒業生2名(医学部生・東京大学院生)が報告しました!

現役医学生から見た医学部の現状
1人目の報告者は産婦人科医を目指している
日本医科大学医学部5年生の大野礼さんです。

今回の報告では、医学部の様子だけではなく、
医師不足が深刻な産婦人科医を目指すきっかけになった出来事や
良医になるために必要なことなど受験生たちに
向けて熱いメッセージを送ってくださいました。
※大野さんは卒業生の会の事務局として活躍しており、
在校生向けの相談会も主催されています!

医学部の5年生は「学力に一番差が出る学年」。
学習のメインは病院実習で、実際に医療現場に立ちながら、自分の足りないところを自分で時間を見つけて勉強をしなければいけません。そのため、やる人はやるし、やらない人はやらないということで、学力に一番差が出る学年となるようです。そんな5年生になってからの生活や実習の様子、部活の様子など写真もたくさん紹介してくださり、医学部生でないと知らない内容に生徒たちも皆興味津々でした。
良医になるための3つの要素
良医になるための要素は何か。
大野さんがこれまでの経験を通して考えた3つの要素を紹介。

■謙虚に勉強し続けること
 医師において無知は罪につながる。
 常に勉強をし続けなければならない幅広い知識も必要だが、まずは専門性を身に付ける。

■チームを大切にすること
 自分の専門外とのつながりを持っていると患者さんを救う可能性をより広げる。

■常にアンテナを張ること
 医学的知識だけでなく、患者の背景を知ることで、患者を救うことにつながる。

この3つの要素と関連させながら、大野さんが医師を目指すきかっけも話されました。
当時、ニュースなどで騒がれていた妊婦死亡事件(たらい回し)や英語の教科書に載っていた貫戸朋子医師の話や講演聞いたことで、将来は産婦人科医になりたいと考えたそうです。
決して楽ではない、責任重大な仕事を「社会の役に立ちたい」という強い志を持って現在も勉強されている大野さんの姿に感動しました。
大野さんの医師を目指したきっかけが、思わぬところに転がっていたということで、生徒の皆さんにもぜひアンテナを張ってもらいたいとメッセージを送っていました。

また、3つの要素は在校生の皆さんでもできる!と置き換えて教えてくださいました。
例えば、「謙虚に勉強し続けること」では、計算ミス。
大野さんも当初は計算ミスが非常に多かったそうですが、ある日それを見た母親に「あんた本当に医師になれるの?私あんたにかかりたくないんだけど…」と言われたことをきっかけに、「医師になってもこのミスが続いたらどうなるのか…自分のミスで患者さんが死んでしまう。ケアレスミスなんて言っていられない…」と気づいて、改善していったそうです。謙虚に自分のミスと向き合い、学習していく。このことは多くの生徒に印象深く残ったようでした。

最後に、大野さんからの生徒たちに向けて温かいメッセージを頂きました。
「不安は合格するまで消えることはないし、医師になってからも不安はあります。その不安は一度置いておいて、今やるべきことは何か、優先順位を考えてほしい。
ぜひ、受験勉強を楽しんで、そして皆さんの努力が実ることを祈っています。」


◇生徒の感想◇
・人の命を奪うという責任の重さと背負うメンタルの必要性が印象に残りました。(高卒・男子)
・私たち学生が面接のために考えていることが実際に必要だ、と気づきました。
 またケアレスミスの話や無知は罪だという話を聞いて自分の意識の低さを実感しました。(高3・女子)
・チームとしての繋がりが大切であるということ。
 これは医学部でなくても大切であると感じた。(高3・男子)
・チームワークが重要でそれが良いパフォーマンスに繋がるということが印象的でした。(高3・男子)

◆保護者様の感想◆
・医学生の生活を知ることができ、良かったと思います。
 卒業生の会の存在は受験生にとって心強いことと思え、
 チームでの受験ができている理由であることが理解できました。(高3女子・父親)
・とてもわかりやすいお話だったと思います。
 受験に合格することの先にあるものが見え、アンテナをはること、様々な分野に触れること、
 自分の頭で考え自分の目で確かめることは本当に必要だと思います。(高卒男子・父親)
・医師になる為に勉強はもちろん、コミュニケーションの能力・アンテナを張ることの大切さを聞き、
 相手(患者さん)の立場になる・話を聞ける人柄が必要だと思いました。
 臨床医を目指すために大切なメッセージだったと思います。(高3女子・母親)
日本と海外の水事情~発展途上国の水衛生改善に挑む!~
2人目の報告は私たちに身近な水の研究されている
東京大学大学院修士1年の大澤英輝さんです。
現在は、池袋理数セミナー非常勤講師として木村富士雄先生と共に
英語科指導をされています。

単なる「水」と思っていても、水と健康は非常に密接に関係があります。
そのため、週に1回、医学部生と同じ授業を受けているそうです。


世界の水事情から青年海外協力隊としてルワンダで活動を行った話までグローバルな視点での話をしてくださいました。
国土交通省が作成した世界の水道水事情を見てみると、日本がかなり恵まれているというのが分かるのですが、そのデータには注意が必要…。実は日本とアメリカのデータでは水道水が飲める国が異なっています。
「そのデータを誰がどういう目的で作っているのかを理解してデータを見なければ、誤解をしてしまうことがある。データに対しても疑問を常に持ち、自分自身で掘り下げることが大切」と伝えてくださいました。研究者としての大切なマインドに生徒たちもとても勉強になったようでした。

真のプロフェッショナルとなり、人・社会に役立つ人になってもらいたい
大学での研究からルワンダなどの経験を経て、大澤さんから生徒への熱いメッセージを頂きました!

■様々な分野に触れる
例えば、水についても皆にとっては興味のない分野かもしれませんが、実は医学にも深く関わっています。広く知ることで、知識を深めることにもつながる。

■英語の必要性
ルワンダでの経験もそうですが、大学院では、授業は全て英語。留学生が多いのはもちろんのこと、教授もタイ人の方で、ミーティング、飲み会もすべて英語だそうです!研究系に進みたい人は英語が必須になるので、今の内から頑張るようにと英語講師としてのメッセージも送ってくださいました!

■自分の頭で考え、自分の目で確かめること
高校までは与えられた事実を覚えるのが勉強。しかし、大学ではそれは一切必要なく、与えられた事実に疑問を持ち、自分で解決していく視点が重要になります。理系においては必須になる。

■専門性の重要性
ルワンダでは、水を研究しているプチ専門家として派遣されたにも関わらず、結局は税金を頂いて、村の水衛生改善のために水源近くに柵を作っただけ…誰でもできることしかできなくて悔しかった。
本当に人の役に立つためなら、もっと専門的知識が必須。専門性がなければ、大きい仕事もできない。皆も医師を目指すのであれば、専門性のあるプロフェッショナルでないと、人を殺してしまう可能性もあります。
大学に受かったら専門性を持ち、人や社会に役立つ人へとなってもらいたいです。


大澤さん自身も大学院でさらに専門性を磨き、人々に貢献できるようになりたいと熱く語ってくださいました。今後の活躍が益々楽しみです!
授業ではなかなか聞くことのできない臨場感のある内容で、何を意識して学問に励むべきなのかを知ることができる貴重な機会となりました。

◇生徒の感想◇
・プロフェッショナルを目指すにあたって新たなことに挑戦し、
 悔しい思いをすることが成長の一歩なのだと感じました。(高卒・女子)
・何事にも興味を持って自分の目で確かめていく姿勢が自分にはないので
 印象的でした。(高卒・男子)
・自分の見ているものが真実か否なのかを疑わずにいました。
 新しい視点での物の見方を学び、とても勉強になりました。(高3・女子)
・全く安全ではないものが安全だと言われていることに驚き、
 もっと自分から事実を追究するような人になりたいと思った。
 また自分の将来のためにももっと英語を頑張らなければならないと思った。(高3・女子)

◆保護者の感想◆
・ルワンダの現状について知り、面白かったです。
 「Hotelルワンダ」の世界観が今でも続いていると思い込んでおりました。
 アフリカの治安が良くなっているとは驚きです。(高3男子・父親)
・工学というと道路や橋などの町作りを想像したので、
 こんな研究をしているのかと驚きました。
 都市が成り立つにあたり、水とはとても大切なものなのですね。
 砂漠でしたらオアシスに集落ができることを思い出しました。(高2男子・母親)
・大澤さんのお話しによって、専門性の大切さ・他分野とのまじわりも
 必要であると思えました。(高3男子・母親)
・大澤さんの自分の知識を基に更に広く、深く世の中の役に立つことは
 何かということを考えて活動をされていることに感銘を受けました。
 ありがとうございました。(高3男子・母親)
最後に・・・
今回報告会の記事を担当させて頂いた緒賀菜美樹と申します。
御二方とも専門性に特化された内容で社会人2年目の私には刺激的で非常に勉強になる内容でした。
大野礼さんのお話で印象的だった言葉は「知らないことへの不安」です。医師は医療技術的な面ではもちろんですが、社会に出ると「知らなかった。」で済まされないことは多々あります。私はまだまだ社会人のプロフェッショナルとしては半人前の身ですが、一つ一つのことを確実に吸収していくことが大切だ。と気持ちが引き締まりました。
大澤さんの話では「専門性を持つこと」の大切さを実感できました。やはりどのような分野においても「プロを目指す」ということが大人になる上で成長し続けるために大切なことだと思います。大野さんの話していた知らないことへの危機感を持ち続けた上で、専門性を追求してプロフェッショナルを目指していきたいと思いました。私であれば「生徒を第一志望校に合格させる」というのが明確な目標です。この目標に向かってこれからも視野を広げ、専門性を持ちつつ探究していきたいと思います。

大野礼さん、大澤英輝さん、今回は貴重なお話をありがとうございました!
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