Messages 講師・卒業生・ご家族より皆様へのメッセージ

2013春期合宿【報告会】

今年も、春期合宿最終日の5月5日(日)に
卒業生の会主催の第6回報告会が行われました!
今回は、東京女子医科大学医学部5年生の粟田由梨乃さんに報告を行っていただきました。
■5万時間でできること■
池袋理数セミナーでは毎年、春期合宿の最終日に
卒業生や保護者による報告会を実施しております。
今年は、2008年度に池袋理数セミナーを卒業した、
東京女子医科大学医学部5年生の粟田由梨乃さんに
報告を担当していただきました。
粟田さんは、現在も理数セミナーにて
化学の非常勤講師をつとめていらっしゃいます。

今回のテーマは「脱・井の中の蛙」。
高2の冬から受験勉強を集中的に始めた場合、
受験勉強に費やす時間は
360日×1年1か月×24時間の10200時間。
医学部に入学してからの6年間はなんと、
その約5倍の52560時間にもなります。
この約5万時間が充実したものになるのか、
ならないかはその人次第で大きく変わります。

大学生になってからの4年間、
粟田さんがどのように新しい環境へと飛び出し(テーマである脱・井の中の蛙に相当します)、
何を経験したのか。
そして、その経験を通して何を思い、何を得たのか。
今回の報告会では、粟田さんの過ごした4年間のうち、
インドでのボランティアとAMSAでの活動に焦点を絞って以上の点について講演をしていただきました。

粟田さんは、4年生の時にインドにてボランティアをしたいと思い立ち、反対するご両親を説得し、
自費でインドへと赴きました。ホームステイをしながら、「マザーハウス」という、
マザーテレサが設立したボランティア施設に毎日通い、障害者や孤児の手助けをする生活を過ごしました。
身の回りの家族や友人を大切にするインドの人たちと接して、
遠くの人とすぐに連絡が取れる便利な環境においても、
身近な人をまず大切にすることが重要と感じたそうです。

そして、ボランティアを通して未だ医師ではない自分の無力さを感じつつも、
人の心の支えになることは出来ると感じたこと、
そしてそのちいさな支援が集まることで
多くの人を助ける事が出来るということもお話していただきました。

また、粟田さんは2年生の時から
AMSA(Asian Medical Student’s Association)という団体に所属しています。
AMSAは、医学生のうちから国際的な人間関係を築き、
将来的にアジアで医療協力活動を行おうという目標のもと発足した団体です。
そこでは、国内と国外両方で、
様々な医学に関する活動をアジアの医学生たちと共に行うことができます。
そして、昨年12月に開催されたEAMSC(東アジア医学生会議)においては
会計役員を務めたそうです。
今回のEAMSCのテーマは、「Disaster Medicine(災害医療)」でした。
EAMSCのプログラムの一つには、開催国の中高生との交流があります。
今回は、テーマである災害医療に基づいてトリアージ(※)を通じた交流を行いました。
粟田さんの提案で、そのプログラムに理数セミナーの生徒も参加し、
海外の医学生と交流を深めることもできました。
普段、海外の医学生と触れ合う機会のない生徒たちにはとても刺激になったようです。

※トリアージ…負傷者の傷の重度に応じて色の異なるタグをつけ、治療の優先度を決める行為のこと。
地震など、多数の負傷者が出るような災害・事故の発生時に用いられる。

その他にも、災害医療についての各国の論文発表や、
東日本大震災での反省を踏まえて各国の学生間で締結された「東京宣言」。
アジア圏の医学生たちが力を合わせ、
学生に出来る最大限のことを成し遂げた素晴らしい会議となったそうです。
 
先輩でも先生でもある粟田さんの活躍は、きっと生徒達の心に強い印象を与えたことと思います。
今回の報告会は、生徒達にとって自分次第で可能性を広げられることに気づき、
大学に入ってから何をしたいのかを考える良い機会となったのではないでしょうか。

そして、最後には
「人生楽しんだ者勝ち。受験も大学生活も、楽をするのではなくいろいろなことに挑戦し、楽しんでほしい」
というエールを送ってくださいました。
■生徒の感想① ‐海外での経験がくれたもの‐■
実経験を踏まえたインドでのボランティアや異文化コミュニケーションの話は、
生徒達に強い印象を与えたようです。
そんな生徒達の感想を、いくつか以下にご紹介させていただきます。

マザーハウスの存在を初めて知りました。また、マザーハウスのうちの1つにあったシャンティダンが一番印象的で、貧困の国の中での精神障害がどのようなものなのか興味を持ちました。(高卒・女子)


粟田先生がインドへボランティアに行ったように、行動を起こす事で人は変われるし、人脈の幅が広がったりもするので、何であれ行動に起こす事の勇気・大切さが改めて身にしみました。脱・井の中の蛙したいです。(高卒・男子)


実際に行動することの素晴らしさが重要だと思いました。大変な準備を経て、危険を冒しながら全く違う環境に行くことでいろいろな刺激を受けて、遠く離れた人だけでなく身近な人のことを思う気持ちが深まるのかなと感じました。(高卒・女子)


インドで実際にボランティアをするという経験を通し、世界には医療提供も出来ない場所があることや、生きていくだけで大変な人がいて支えを必要としていることを強く感じた、というところが印象的でした。(高卒・男子)


「自分で自分の可能性にリミッターをかけない」ということの大切さをすごく感じました。誰かのためになりたい、誰かの手助けをしたいと思うだけでなく、その思いを無くさずに行動に移すことが大切なんだと思いました。(高卒・女子)


日本だけでなく、外国とも国際的関係を持つことが大事。どこかの国で災害が起こったら、他国の人がそれを救うという、「助け合い」の意識が大事だと思った。(高3・男子)


粟田先生が自らインドに行き、ボランティアに参加されたことが一番印象に残りました。日本とインドの文化や宗教の違いを改めて感じ、日本という安全で豊かな国で暮らしている自分が、貧富の差が激しく貧困で苦しんでいる人々の為に何が出来るのか日々考え、粟田先生のように行動に移す勇気を持つことが重要だとわかりました。(高3・女子)


AMSAなどの、国際的に活動する団体でヒューマンネットワークを築いていくことが重要だと思いました。外国の医学生と友人になり、意見を交換しあうことは将来的にも大切なことだと感じました。(高2・男子)


■生徒の感想② ‐井の中から脱するには‐■
また、粟田さんの充実した学生生活の話を聞いて、大学でやりたいことや将来の夢を明確にした生徒もたくさんいました。

将来の夢は、自分のいる場所をそこにいる人全員が愛せる環境に出来る人間になること。そして、そのような人間になるためにも、他に類を見ない生き方をして経験を積んでいきたい。(高卒・男子)


大学に入ったら、他国の医学生とも交流をしたい。また、自分のことを絶対と思うような医師になりたくないからこそ、医学生だけでなく様々な境遇にいる人たちとかかわっていきたいと思う。(高卒・女子)


私はボランティアや異文化交流に興味があります。でも、身近な人ともうまく付き合うことが出来ません。まずは、今から自分の身の回りから見つめなおして、大学時代には環境も価値観も全く違う人と通じ合えるように、他人を大事にしたいです。(高卒・女子)


自分の将来の夢は漠然としていて、まだ具体的には定まっていません。だから東大に進学して、成り得る選択肢を多く持ちたいです。大学生活では、今までやってこなかったことに幅広く挑戦し、豊かな生活を過ごしたいです。将来的には起業したいと思っているので、行動力やリーダーシップも身に着けたいと思っています。(高3・男子)


大学時代に何をするか。大学生活をきちんと想像することなく、ただ医師になりたい気持ちで医学部を目指してきたので、今回の粟田先生の発表を聞いて、大学生の間にやる気さえあればこんなに大きなことも出来るのかと驚きました。私自身、人の為になりたいという気持ちが一番強いので、こういった活動で人を助ける第一歩を踏み出すことにとても魅力を感じました。(高3・女子)


自分は医師になって、日本の医療技術だけでなく他国の技術も学んでいきたいと思っています。今回の話を聞いて、発展途上国の医療にも興味がわいてきました。(高3・男子)


私も、大学ではできないようなことをAMSAなどの団体に参加して話し合ったり聞いたりしたいと思いました。「東京宣言」に立ち会えて感動した、という粟田先生の話がすごく印象的で、私もそんな経験をしてみたいと思いました。(高1・女子)


■保護者からの感想■
今回の報告会には、在校生だけでなく、
保護者の方や池袋理数セミナーの卒業生たちも参加をしてくださいました。
以下に、保護者の方から頂いた感想をご紹介させていただきます。

講師の先生が卒業生で、今も授業を持っていてくださる現役医学生でしたので、理数セミナーの教育理念が等身大で伝わってきて、わかりやすいです。ご自身で考え、国際ボランティアに参加し、また社会に役に立つ人として活躍していて、受験生には、何よりの心の拠り所となったと思います。発表の仕方もとてもわかりやすく好感が持てました。後輩に時間や心を分かち合ってくださって一重に感謝申し上げます。(高3女子・母)


医学生になってからも常に自分はほかに何ができるのかを考え、行動している粟田さんに感心しました。ボランティア精神がある医師になってほしいと息子に言い続けてきました。とても勉強になる講座になったと思います。(その前に受験を成功させないと・・。)ボランティアは、自分が満たされていないと、心の豊かさがないとなかなかできないです。粟田先生は素敵ですね。ありがとうございました。(高2男子・母)


自分の勉強だけでも大変なはずなのに、積極的に活動し、他者への思いやり、やさしさがないと、それだけではやりきれない行動。後につづく者達への良いエールになった講演だと感じました。「受験を乗り切ったことが、行動力の原点」後輩たちにしっかりとどいて、皆が頑張ってくれるでしょう。今後、医師としても活躍されることを。(高2男子・父)


講師をしてくださった粟田先生は、医学生でいらして、学校の勉強もとても大変な中、井の中の蛙になりたくないとご自身で考え行動に写せるパワーに感激いたしました。ご本人もおっしゃっていたように、これだけの大人数を前にしても堂々と自分の意見・発表ができるコミュニケーション能力はこれから先、とても必要だと思います。立派な卒業生がたくさんいらっしゃる理数セミナーさんに娘をお預けできることに改めて感謝しております。素晴らしいお話をありがとうございました。(高1女子・母)


人として視野を広げる、人間性を深める、とても難しいことのようですが、まず好奇心を持ち、行動してみることが大事なのだと感じました。日本にいるだけではわからないインドの人々の様子を、身をもって体験することで人間としての成長につながっていたように思います。目の前の合格という目標の先にまだまだ道があるのだと子供も理解してくれたらいいなと思いました。(中3女子・父)


■卒業生にとっても、目標を定めるきっかけに■
今回の報告会は、現在大学生である卒業生にとってもこれからを見直す機会となったようです。
以下に、卒業生の感想をいくつかご紹介させていただきます。

容易にはいかない物事に対して、強い思いと行動力をもって取り組まれた粟田さんのお話に大変刺激を頂きました。現在、他大や社会人の方々と取り組んでいるプロジェクトがあるのですが、粟田さんのお話を伺い、そこへの意識がさらに高まりました。私も自分の財産といえるようなヒューマンネットワークを大切にしていきたいと思います。 (2010年度卒・女)

粟田先生の変わりたい(脱・井の中の蛙をしたい)という思いの強さがとても印象に残った。その思いが強かったから、やりたい気持ちだけで終わらず実際に行動に移せたのだと思う。自分も、ただやりたいと思うだけでなく何故やりたいのか、という思いの部分を強く持って行動したい。現在、サークルの活動でボランティアをやっているが、その活動をもっと広げていきたい。(2011年度卒・女)

大学生でありながらも、インドに渡るその行動力が印象的でした。自分も、大学生のうちに留学を経験して、幅広い価値観をもった医師になりたいと思いました。まずはそのために勉強をしようと思います。(2012年度卒・男)

大学生という、社会人でも子供でもない今の時間をうまく活用して海外の医学生との団体に参加し、活動していることに感銘を受けました。自分も、海外にいって英語力を向上させ、また価値観を広げていきたいと思う。また、大学でも自分の興味のある分野の授業を積極的にとっていきたいと感じた。(2012年度卒・男)

お忙しい中報告をしてくださった粟田さん、本当にありがとうございました!
今後も、卒業生の会は生徒・卒業生、
そして保護者の方々にとって素敵な報告会を実施できるよう邁進していきます。





【報告会レポート・卒業生の会事務局:齋藤有紀】
list page page top